北田工務店の現場日記
材木知識③


杉の名前は 直木(すぎ)すなわち まっすぐな木
ということからきていると言われています
日本の木の文化は杉文化であると評されています
割りやすく容易に板を取ることができる材である点が特徴です
秋田・富山・京都・三重・奈良・高知の6府県が杉を県木を指定しています
いかに各地の杉が歴史の中で重要な役割を果たしてきたかはかり知れません
和風の空間では 柱・敷居・鴨居・廻り縁・框・落掛など直線材が多い中
直線によるかたさを自由な年輪の杉の杢目がやわらげてくれる
特に長寿の杉は 幅広い板が得られるからです
杢(複雑な年輪)の天井板をはじめ、中杢(両脇に直線、中央に杢の年輪)、
柾(直線の年輪)といった素直な年輪に至るまで
天井板は多種多様で杉の独壇場といっても過言ではないです
建築資材として重要な木で多くの地域に植林されていますが
花粉の飛散によるスギ花粉症の原因ともなっていますね
古くから樽(たる)と桶(おけ)にも杉が使われています
樽と桶の違いは 使う材が板目か柾目かにあるようです
樽には板目を用いて 液体がしみ出したり蒸発しにくくし
桶は必ずしも液体を入れるとは限らず 貯蔵を目的としないので
板の目に対して年輪が直角に通っている柾目板を使います

柾目板は板目板より水を吸いやすいので たとえば
寿司を入れて運ぶ時には湿気を吸収して蒸れにくくしています
おひつや寿司桶、味噌桶に漬物桶と、食に関する桶にはほとんど杉を使います
匂いがおとなしくて、軽いからというのが理由のようです
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